諸事情あって横浜のとある片田舎を歩いてまして。
横浜と言えばみなとみらいの都会的なイメージがありますが、ちょっと歩くと割と田舎です。
本日は雨。
農道として使われているであろう道をてくてく、周りを見回すと畑、畑、カラス、カラス、空、曇天。
やがて木々が生い茂った坂道に出たところで、不肖わたくし、なぜか涙ぐんでしまいました。
田舎の学生、坂道ファン
恐らくこのあたりにも学校はあって、農道を通学路にしている学生もいるでしょう。
スマホに坂道の曲を詰め込んで、Bluetoothイヤホンで聴いているかもしれない。
日本各地でそういう光景があって、坂道シリーズのアイドルが日常に溶け込んでいる人がたくさんいると思います。
それを思うと、なぜか泣けてきたんですよねぇ。
情緒が変なんだと思いますが、「あぁ、そうかぁ。そうだよなぁ。こういう田舎で、学校で嫌なことがあった帰り道に、坂道を聴いているのかもしれないよなぁ。」と、じーんとしちゃったわけです。
昔アメトーーク!で又吉さんが「知らん街のファミレスにいる男女のドラマを妄想して涙が出てくる」って言ってたんですけど、そういう感覚に近いと思います。
勝手にドラマを作り出している。
まぁ、妄想ですよね。
アイドルは妄想の産物だ?
そもそもアイドルって「偶像」って意味ですから、妄想してナンボと言いますか、皆がそれぞれのアイドル像を作り出して楽しんでいますよね。
齋藤飛鳥という人はこの世に一人しかいないけど、見る人がそれぞれの「齋藤飛鳥像」を作りだしている。
いわば、妄想です。
その妄想に対して「いや、あのさ、そんなに応援しても付き合えるわけじゃないんだから…」っていうのはヤボ。
妄想して、夢を見て、楽しむものですから。アイドルは。
ディズニーランドと一緒ですよ。
「いやいや…どうせミッキーの中には人が入ってるんだからさ」っていうくらいの暴論であり、冷や水。
そんな風に言ってくるのはかなりヤベエやつですね。
何度でも夢を見たい
個人的に、夢や希望、前向きな気持ち、素直な気持ちを否定するような事案にあいまして。
僕自身の身に起きたことではないんですが、非常に腹が立ちましてね。
アイドルファンって程度の差はあれ、自分の趣味をどうこう言われるシーンってあると思うんですよね。
他人の好きなものに対して、自分のモノサシでもって、「それはダメよ。よくないわよ。」っていうのって、ものすごい暴力だと思います。
個人の感覚なので嫌悪感を抱くのは仕方ないにしても、それを簡単に口に出しちゃう神経がこわい。
自分こそが正義っていうのが透けて見えるんですよね。
否定の力は恐ろしい。
だけど…
妄想の力はそれを上回ると思う。
アイドルに夢を見て、妄想して、泣いて、叫んで、わめいて、笑って、喜んで、楽しんで。
否定されたとしても、僕はこれが好きだって貫くこと。
それでいいんだよな。
好きなものは好きでいい
僕が妄想した田舎の学生は、一人坂道の音楽を聴いていました。
もしかしたら、本当は坂道を聴くことも憚られるのかもしれない。
坂道好きなのバレたら笑われる…
そんな風に思っているのかもしれない。
それでも、自分の好きなものを押し殺す必要はないと、僕は妄想の彼に言ってやりたい。
だって、夢を見たいじゃないか。
その方が面白いじゃないか。
とある雨の日、恐らく自分自身の姿を映し出した彼は、そんな言葉を待っていたのだろう。
なので、雨が上がった夜、この文章を書いている次第。
イヤホンの音量が大きすぎるようなのでもう一度言ってやろう。
自分の好きなものは、好きでいいんだ。
夢だと笑われてもいいから、夢を見続けようぜ。